私はつくづく「小さいなぁ」と思う。
気も小さいが、スケールが砂のように小さい。
気が向いていない時には、大胆なくらいに無視をするのに、いざ心が向くと自分の期待通りに進まない事を気に病んでしまう。
特に努力をすると、小ささはより顕著になる。
私のYouTubeのチャンネル登録者様は、2024年2月6日現在で369名様だ。
実にありがたい事だと思う。
ギターテクがなく、特別良いところもない弾き語りを「また聞こうか」と思ってくださる方が369名もいらっしゃる。
と、書いたが、369名様のうちの多くは、登録したことをお忘れになっているとも思っている。
でも、ありがたいことには変わりはない。
心より、ありがとうございます。
小心者で、欲深い私は、368名様になった時、「ヤッター!」と小さく拳を挙げたが、そのすぐあとには369となる事を期待した。
渇くほどに369を欲した。
そして、369という数字になった時に、また同じように小さく拳を挙げ、そしてまた370という数字を待っている。これを永遠に繰り返す。
あつかましいぞ。
待つ前に、投稿しろよ。 それが先だ。
やらずぼったくりを知らないのか!
と、思いながら、いじましくも、スマホをいじっている。
YouTubeを始めたころ、ものすごく落ち込んだ時期があって、それも登録者様の数の事なのだけれど、先日その頃の気持ちを思い出してしまった。
何故それほど落ち込んだのだろうか…と思い、アナリティクスで当時の推移を見てみた。
初めての動画をあげたのは、2021年7月29日。
翌日の7月30日にいきなり1名様の登録があった。
これはおそらく、私のブログ(このブログ)の当時の来訪者の方で、YouTubeの記事を読んで登録してくださったのだろうと思う。おそらく当たり。
幸先よく始まったYouTubeだが、2名様になるのは、それから40日後のことだった。
さらに、3名様になるのは、そこから2カ月を要した。
そして5名様になったのは、YouTubeをはじめてから7カ月たっていた。
この期間、動画のアップ数は18本。
1本を作るのに結構時間がかかる。今思えば、家にいたとはいえ、なかなかのハードスケジュールだったと思う。
一生懸命に弾き、歌い、写真の素材を集め、動画の編集をする。
60の手習いには、ハードルは高い。
それだけ、丹精こめて作った動画をアップして、7ヵ月で5名様。
ありがたい5名様だけど、一人舞台がとても哀しかった。
頑張っても頑張っても、頑張っても増えない。
これは本当にきつかった。
この時期、よく退散をしなかったと思う。
こんな話をよく聞く。
動画を挙げても挙げても登録者はマックス10人。
もう、やめよっかなぁ。
心折れるなぁ。
やめよう…
って、思わなくても、結局そのチャンネルはそのまま放置になってしまう。
そんな話は、そこここにいくらでも散らばっている。
私もそれを十分に味わった。
そもそも10人が夢の人数で、手も届いていなかった。
でも、その時点ではやめなかった。とりあえず続けた。
それはギターが好きだったのと、いつか弾き語りで喜んでくれる人を探す準備でもあったから。
結果として、翌年からパートに出たので、時間が激減したのと、肉体的と精神的にも回復に追いつかないほど疲れが出てしまって、投稿は一気に減ることになる。
チャンネルはいつしか「臭い物」のような存在になって、開けずにいた。
しばらく放置をして、ある時、思い切って登録者様を確認したら…。
5人だったのが、14人に増えていた。
そして、それから、少しずつ増えるようになった。
この間は動画はアップしてはいない。ストックもない。
けれど、過去の動画の何かがきっかけになり、気に入ってくださる方がいた。
大きな気持ちの支えになったのは、この14名の数字を見た時だ。
ありがたくて、ありがたくて、この14名の方に報いたいと心底思って、それから微力ながら
時間をみて、体力をみて、また動画に向きなおした。
14名が少したってから31名になった時に思ったことは…
「14名なら家に入れるけれど、31名だと無理かな…」
人の数を、私の小さなマンションに入れるかどうかで想像をした。
当時はまだ、アナリティクスというツールに気が付いていなくて、何が理由なのかはわかっていなかったが、のちに「無縁坂」がきっかけであることを知った。
無縁坂と言えば…
この塞いでいた時分、無縁坂の弾き語りに対して、中国の方から中国語でコメントをいただいたことがある。5名様の頃。
漢字なので、雰囲気はわかるけど、細かい部分がわからないので、中国語の翻訳のアプリで調べてみた。
訳詞もおかしい感じになって、結果としては先方の言葉が私に届かなくて、返信をした私の方も、ちぐはぐな事を伝えていただろう…。そんな言葉の往復となった。
けれど、これは大きなことだった。
言葉にはちゃんと言葉でかえす。
こうして、小さな一歩を繰り返した。
チャンネル開設から1年2カ月で、登録者様は300名を超えた。
しかし、この300名から次の数字が動きはじめるには、1年かかる。
一年間はほぼ300名のままだった。
この時期も焦燥感にまみれた。
増えもしないが、減りもしない。
おとなしく、ただそのままのチャンネルになってしまっていて、登録したこともお忘れ状態になっているのだと思った。だから、減らない。
やっぱり、時間の捻出は難しくて、気持ちだけはあっても行動が伴わない。
チャンネルと同時に進行するつもりの、このブログもまったくの幽霊になっていた。
そこで、時間を作ることにした。
パートの時間を減らし、ひとつでも多くのコンテンツを作ることにした。
身体も頭もひとつしかないから、両方というのは土台無理だった。
せっかく始めたYouTubeもブログも私は捨てることができない。勿体ない。
お金にならなくても、財産にはなる。
そして、誰かが聴いてくれて、誰かが喜んでくれる。
300人から数字が動きはじめたのは、ここ数か月の事。
まったくの微増だけれど。
1曲挙げても、視聴回数は100に届かないことが常。
けれど、「突然の明日」はいつやってくるかわからない。
14名様がもたらしてくれたあの感動が、再びくるかもしれない。
そんな明日を信じて、まだ続ける。
昨日、シニアYouTuberについてのまとめブログを拝見した。
私、現在64歳。
きっと、珍しいことに挑戦していると自分では思っていたけれど、まだまだどうして。
日本の中には、雲の上で楽しく頑張る方が大勢いらっしゃることを知った。
369名で悩んでいるこの子羊を、きっと笑うだろう。
ついて来なさい。
そう言ってくれたような人は90代だ。