今年も卒業のシーズンがきたね。
もうすぐ、また新しい春がくる。
今年は何故か、私自身の高校の卒業式のことを思い出している。
もう46年くらい前のこと。
高校の3年間、私は吹奏楽部に在籍していた。
ほとんどの中学、高校の吹奏楽部がそうだったように、私の学校も部活は厳しかった。
休みもお正月しかなかったし、土曜も日曜も終日学校にいた。
1年の時は先輩の目が怖くて、休みことをしなかった。
2年の時は、なんとなく休むことができなかった。
3年の時は先輩としての責任感で休むなんてことは頭から消えていた。
部活動に支障が出るから、どんなに苦手な科目でも赤点にならない努力をした。
もちろん、部活動に支障がでるから、不良行為はなるべくしなかった。
高校生活=吹奏楽部だったから、楽しいというよりもキツイ練習と頑張った記憶がほとんどを占めている。
締め付けで、部活部活でつまらない高校生活だったか?
いいや、私にはかけがえのない青春だった。 今にして思う。
キツイ練習の日々だったけれど、クリスマスなどは「お楽しみ会?」のようなこともしていた。
こんな時、私は余興でギターの弾き語りをした。
多分、2年の時と3年の時。
1年の時は、そんな目立つことをする勇気はなかったw
卒業式の日、吹奏楽部は卒業生の通る道で舟木一夫さんの「高校3年生」を演奏するのが習わしだった。
他の在校生は、そこより以降の道で卒業生を見送る。
その中を卒業生が歩く。(整列などせず、テキトーに)
あの日、私はわざと遅くに友人と教室を出た。
あまり、賑やかしいことが好きではないので、人がいなくなった頃に外に出たかったからだ。
もう、ほとんどの卒業生が見えなくなった頃に、私と友人は外に出た。
なんとなく「見送りが終わった感」が漂い始めていたけれど、演奏はまだ終わってはいなかった。
これに送られるのがどうにも気が進まなかったのだけれど(気恥ずかしいから)いざ、演奏を聴くと嬉しい気持ちになった。
去年までは、私も寒いなか一所懸命に演奏していたから、感慨深かった。
寒い屋外で、何度もリピート演奏をしている後輩たちに話しかける。
一緒に頑張ってきたから、可愛い後輩たちだ。
悔しい思いも、笑った思い出もたくさん共有した仲間だ。
これからも頑張ってな。
頼んだよ。
全員に、そんな声をかけた。
それぞれ一人ずつに声をかけて、後輩からもエールをもらった。
何人かの後輩に言われた。
「先輩!レコード出してくださいね! 買いますから!」
「わかった!」
そんな会話をした。
卒業から、数回は帰郷をして、母校に行き、部室を訪問した。
床も空気も楽器も懐かしかったけれど、そこはもう自分の居場所ではなかったな。
こうやって、生きる場所が変わって、大人になっていくんだな。
そんな事も思ったよ。
卒業から数年で我が校は同市内の高校と統合のすえ、さらに数年で閉校となった。
北海道の空知にあり炭鉱がおもな産業だったから閉山とともに決まっていた閉校(廃校)だったけれど、小・中・高とすべてが廃校なるのはやはり寂しい。
同学年の部員とは、何かで会ったり(同窓会とか)何かしらの噂が耳に入ったりする機会もある。
でも、後輩のことは誰のことも知らない。
一つかふたつ年下なのに、「いくつになったんだろう?」なんて、可笑しなことも思ったりする。
後輩たちも還暦をすぎている。
どんな年を重ねているだろうか。
多くはお母さんになり、お父さんになっているのだろう。
仕事はしているだろうか。
みんな、どこに住んでいるのだろう。
私も含めて、きっと多くの子は変貌をとげているだろう。
だから、会うのはやめておいたほうが無難だww
あの頃の美しい?思い出でしまっておこうか。
後輩たちよ。
元気にしているかい?
何を頑張っている?
何かを頑張っていることを期待しているよ。
人に見せなくてもいいから。
私はレコードを出すことはなかったよ。そんな挑戦もしてこなかった。
そんな夢を抱いたことも、実はなかった。
「わかったよ!」って言ったけど、あれはあの時の社交辞令だ(お互いの)
でも、聞いて。後輩たち。
私は、今も歌っているよ。今もギターを弾いている。
人生も後半にきて、私のやるべきことが見えてきたから、やれるうちはこの活動をするよ。
私は弾き語りのyoutubereなんだよ。
ちょっとすごくない?
私はこのギターと灰色感満載の声で、歌のボランティアもしようと思っているんだよ。
考えたらさ、私たちの部活だって、もちろん自分の為にやっていた活動だったけど、地域的にはボランティアでもあったんだよね。
私たちを見て、喜んでくれた人だってきっと、たくさんあの町にはいたんだよ。
その延長線かもしれないね。
この先もし、何かでお互いを知る機会があったら、称え合いたいね。
先輩、すごいじゃないですか!
なぁんて言われたら、もちろん私は謙遜するよ。
そんなことないよって。
でも、そんな事を言われて、私はもしかしてウルウルしているかもしれないし、小鼻を膨らませて照れ笑いしているかもしれない。
それは、その時でないとわからない。
後輩たちよ。
あの頃の自分たちを誇りに、人生最期まで生きよう。