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所有の住宅のローンを払い終わって、リフォームの準備もできていて、夫婦だけの生活なら年金でまかなえて、病院代や、親戚にかかる費用、そして、いずれ入るかもしれない施設にかかる費用も用意ができて、多少の贅沢もたまにして、そして簡素な葬儀費用も用意済み。
こんな人、いるのだろうか。
私が知らないだけで、結構な数がおられるのかもしれない。
みんな、本当のことは言わないから。
私の耳に入る言葉は
「年金では暮らせない」「貯金なんてない」そんな事ばかりだけど、それは私が信じすぎているだけだろうか。
テスト前に、「まったく勉強なんてしてない。赤点だ。どうしよう」
そんな友人たちの言葉を信じて、自分と同じだと安心していたら、結局大きく差をつけられたあの頃と、実は同じかもしれない。
私自身は年金だけでは、到底生きていくことはできない。
シングルできたし、これからもシングルで終わるだろう。
だから、これからまだまだ続きそうな人生のためにお金の事を考えている。
幸い、健康であるようなので、病気の心配よりも金銭の心配になる。
数年前までは、65歳までは働いて、それ以降はどうしようかと思っていたが、現在65歳になって、この状態では引退など到底できないのが現状だ。
もっと言えば、いつまでも働かなければ生活はなりたちそうにない。
今の気持ちは70歳まではとりあえず働きたいとは思っている。
これは、働かないといけないというよりも、まだまだ働ける体力があり、出来る事、得意な分野でガシガシと働きたいという欲求のほうがまさっている。
なにもしないでいるのは、性分にあわない。
こんな歳になりながら、毎日毎日気持ちは葛藤している。
急場しのぎで選んでしまった職場。
とても自分には合わないけれど、履歴書を書いたのも自分であるし、採用を断ることも出来たのに、結局選んだのは自分。
その中では一生懸命に働いているけれど、このままでいることは自分が納得していない。
50歳代の中頃、思っていた。
60を過ぎたら、とりあえずなんでもいいから仕事をして収入をえる。
そこに理想なんて持っていなかった。
年金とは別に収入を得るためには、なんでもよかった。
そして、今。
なぜ、あの頃、あんなに適当だったのかと思う。
人生って、やっぱりリアル。
10年前の自分は、もはや他人である。
その時、その現場で考えるのがやっぱり人生。
いろんな事、描いていた設計はまた書き直さないといけないし、途中で白紙になりそうでもある。
計画はその通りにいかない事はよくあるけれど、どうしようもないことだって、ままある。
意外に感じるのは、今現在の私の方が、この先の目標をもっている。
30代の私よりも、きっと希望(野望)がある。
相変わらず、相当に変わっていると思うが、だから悲観しないですんでいるようだ。
いつでもまた計画を描いて、そしてまた消してを繰り返して、答えが出るのは…
いつになるのだろう。