65歳の日記

若い女性のはなし

先日、職場の若い女性が嘆いていた。

「7月に30歳ですよ。何もしないで30歳になってしまいますよぉ」

そのまま放置でも良かったのだけれど、これは何かぼやきたいのだろうと思って聞いてみた。

どしたの。

あまり他人さまには関わらないで過ごしているけど、彼女とは個人的に少し関わりを持っているので、踏み込んでみた。

なんでも、同棲しているお相手から結婚の意志がないことを宣言されたらしい。

彼女は結婚をしたいらしく、お相手のその言葉がショックで落ち込んでいるらしい。

30歳は十分に若いけれど、出産を考えたらあまり余裕のある話しではない。

結婚して、子どもがほしいって思っているのなら、年齢を考えて別な人を探しみたら?

いや、生活を考えたら踏み出せないっす。

お金ないっす。

とりあえず、一年くらいがむしゃらに働いてお金ためたら?

それで自立したらいいじゃん。

29歳で低賃金のパートなので、ここは一念発起で正社員としてどこかで働く。

まずは転職から動いてみたら?

転職でなくても、もうひとつ収入の道を見つけるとか。

とにかくお金、貯めなよ。

正社員は無理っす。トラウマがあるっす。

数日前に、以前田舎のホームセンターで社員だった時にイヤな思い出があるとは聞いていたけど、どんなトラウマかはわからない。

それに、自分、なにも資格ももってないっす。

いや、別に、今からでも遅くはないよ。

簿記、とっておけば良かったっす。

介護は持っているけど、腰、やってしまって、出来ないっす。

簿記、3級挑戦したら? とりあえず履歴書に書けるよ。

いや、自分頭悪いから無理っす。

簿記って、どんなことすか?

どんなことって… 自分でさっき簿記とっておけばって言ってたじゃんかよ。

とりあえず私は簿記の3級取得とFPの勉強とPCを使いこなすことをすすめておいた。

彼女はどちらの提案も、無理っす。で素通りをした。

あぁ、孤独死っすよ。

このまま結婚もできないで、一人きりで孤独死っすよ。

いやいや、心配するな。キミ一人じゃなくて、これからは多くの人が孤独に死ぬんだから。

そうっすね! と、少しは納得をした様子。

多分、10分くらい話をしたと思うけど、まったく解決の糸口は見つかることはなかった。

それは、すべてが「無理」に集約されたから。

お相手とは同じ田舎から一緒に出てきているので、付き合いが長いらしく、情もあるのだろう。

だから、すぐに別れることはイメージがつかないらしい。

結局、私はとりあえず、お金を貯めなさいと言っておいた。

こんな不確かな世界だけれど、私はパートよりは断然正社員の方がいいと思っている。

いつまで勤めるかはわからないけれど、いずれ他の道に進む可能性の方が高いだろうけれど、若い独身者はパート1本で生活はできない。

ダブルワークも在宅副業も当たり前の世の中になっている。

不確かだから、作れるお金は作っておいた方がいい。

その上で、彼女に言ってみたけど、どうやら却下らしい。

私はつくづく、この現代で自分が「若い人」でなくて良かったと思う。

自分が30代だったなら、これから先の事を考えると気が狂いそうになる。

一つの会社で、その仕事だけに没頭するということはもう出来ない。

正規の収入減を持ちながら、いくつも見え隠れしている他の道にも進まなければいけない。

そこで、どの道に進むのかで多いに悩むだろうし、何度もくじけるだろう。

私はきっと「無理」という言葉で、歩みを止めることはないと思う。

だからこそ、悩み多き人生にほとほと疲れるだろうと思う。

若い友人である彼女とはまた違う苦しみと悩みを持つだろう。

大変だと思う反面、彼女の若さは羨ましいと思う。

若いというだけで、エントリーの幅は広がる。

私の年齢では、もうエントリーさえ出来ないことが多い。

何かをやるのに、年齢は関係がない。

私も人にはそう言うけれど、詭弁であることが多い。

時々、「もう10歳若ければ…」と、人には言わないけれど、思うことは多い。

さて。彼女はどうするのだろう。

少なからずとも、彼女に対して「可愛い」と思う気持ちがあるから、彼女のマイナス思考も許せてはいるけれど、そうでなければ、まったく呆れて没交渉になるだろう。

これからの長い人生。おそらくあと60年前後は残されている人生。

無理だからしないではなくて、あちこちと飛び込んで転んで、すり傷をいくつも作っている人生であればいいなぁと思う。

何よりもまず、今の自分がどれだけの可能性を秘めていて、歩いていける道は限りなく存在していることに気づいてほしい。

私も、それに気づいたのは、もう50代だったかなぁ。

遅くない。

長い人生のたった一瞬、頑張ってほしい。

無理っすって言うな(笑)

「にほんブログ村」に参加しています

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA