65歳の日記

女子プロレス

かつて、私は女子プロレスが好きだった。

でも、今でもきっと好きなんだと最近思う。

YouTubeは、チラッとでも見た動画の関連を、これでもかと勧めてくる。

今、私のYouTubeの表紙?は、女子プロレス関連でいっぱいだ。

一番熱中したのは全女(全日本女子プロレス)の、「ビューティペア」の時代。

高校2年から3年の頃だった。

あの頃、日曜の昼間に試合のテレビが入っていたような記憶がある。

当初は、紙吹雪のなかで歌う二人に違和感がいっぱいだったけど、見る度(とくに試合)に強烈に惹かれていくのがわかった。

あっという間に「ピンクレディー」と比較されるほどの人気者になり、私の部屋はふたりのポスターでいっぱいになった。

超田舎なので、本物を見る機会などない。

だから、少ないテレビ放送を食い入るように見たものだ。

私はジャッキー(佐藤)が好きだった。

私の周囲もジャッキー派がほとんどだったと思う。

歌はまったく上手くないけど、レコードも買った。

今でも持っている。

私の田舎町の隣の隣町に全女が興行で来たのは、高校3年の夏前くらいのこと。

友だちは数人で見に行ったけれど、私は行くことができなかった。

部活を休むことができなかったから(職業より厳しい吹奏楽部)泣く泣くあきらめた。

話を聞くと、ビューティと対抗していた「ブラックペア」の口に含んだ水が顔にかかったと言っていたので、リングサイドに陣取っていたのだと思う。

田舎の体育館なので、いずれにしても近くで見ることは出来たと思うと、心底羨ましかった。

そんな熱狂したビューティだったけど、高校を卒業する前にはなんとなく離れていた。

ファンなんて本当に勝手だと思う。

すっかりと離れた頃に、再び女子プロのブームが再燃する。

ここで、今でもいろんな分野で活躍を続けるレスラーが多く出てきた。

昔、全女だけが存在していた時代には、女子の定年は25歳と決められていた。

大変なブームだったので、25歳で消える選手がいても、次々と新星が現れていた世界。

その次つぎと現れた新星たちが、今でも活躍をしている。

私と同年代くらいだから、還暦選手さえ何人もいるようだ。

頭が下がるというより、よく死なないな…と、その体に感心する。

平成を迎えた頃の女子プロレスのブームも、私は少しだけ追いかけた。

この時は、札幌の興行にも娘と行った。

この時に、今でも素晴らしいと尊敬している「ブル中野」さんと握手もしてもらえた(グッズを買ったから)

老舗であった全女が倒産する頃には、女子の新団体がいくつも出来るようになり、新しい団体も名前を変えたり、消えたりしながら、今でもいくつか存在しているようだ。

残念ながら、もう詳しくは知らない。

好きだったジャッキーさんは21世紀を迎えるまえに、41歳で亡くなった。

その次に好きだったブル様は身体を壊し、引退し、ダイエットをして今ではすっかりと美しいご婦人になっておられる。

そのブル様がけん引するような形で、昔活躍されていたスター選手の今を知ることが出来ている。

ほとんどの人があの頃のイメージと良い意味で違う。

一所懸命に生きていた人の裏話は、時に楽しく、時に感動する。

次から次へと主人公が変わるので、終わることがむずかしい。

そんな感じで、私のYouTubeのページは往年の選手の顔で埋め尽くされている。

今の団体等は、もうこちらから調べる気力はない。

でも、世間を揺るがすほどのスターが再び現れたら、きっと私はいくつになっても、またファンになるだろう。

70でも80でも90でも。

いつかまた、夢を見たい。