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昔むかし、「ロンパ―ルーム」という幼児向けの番組があった。
うつみ宮土理さんが進行(司会?)をしていた。
今でも、現役のタレントさんなので、そう考えるとキャリアの長さに驚く。
小学校に入る直前の子どもたちを集めて、スタジオでいろいろと楽しむ。
丁度同じ年頃の私は、小さなテレビに食い入るように見ていた。
私の一番のお気に入りというか関心ごとは…
「おてんき坊や」
当日、選ばれた子どもが外で左腕をあげて立っている男の子のイラストに服を着せる。
あと、帽子などの服飾品をまとわせる。
この「くっつく」というのが、当時の私には魔法のように思えた。
弱いマグネットか、マジックテープなどだったと思うけれど、子どもにはわからない。
特に、私は東京などの都会の子どもではないから、新しいおもちゃに触れる機会などなく、いろいろなモノは魔法に思えた。
この「おてんき坊や」が私は欲しくて欲しくて、親にねだったと思うけれど(ねだった記憶はないけど、きっとねだった)まったく脈なしだった。
親にしても、入手方法を考えることができなかっただろう。
なにせ、お店などない超田舎だったから。
だから、私はいつもよだれを流す勢いで、おてんき坊やを見ていた。
おてんき坊やと、もうひとつ「おてんきみどりちゃん」が登場したが、みどりちゃんには全く関心はなかった。
きっと、私が子ども時代からスカートなどの女の子の服装に関心がなかったから。
それは今でも変わらない。
ついでに言えば、もし今「おてんき坊や」が売っていたら、絶対に買う。
さて、ミルク。
この番組の終りころ、「ミルク」の時間があった。
ひとしきり遊んだあと、子どもひとり一人にプラスチックの持ちてのついたカップが与えられ、その中の「ミルク」なるものを飲む。
みんな、天井を見上げるほど上を向いて、飲み干していた。
その「ミルク」も私には都会の特別なジュースだとばかり思っていた。
ミルクなんて言葉、知る由もない。
親にも聞かなかったのかもしれない。
それが「牛乳」だということは、少しあとに知ったくらいだから。
もしかしたら、私の親も「ミルク」を知らなかったのかもしれないが(言葉として)
小学校に入るまで、私は牛乳を飲んだことが、もしかしてなかったかもしれない。
まったく、記憶にない。
たしか、チーズは食べることが出来なくて、一緒に給食時間を過ごした校長先生にイヤな顔をされた記憶がある。
だから、牛乳も飲んだことがなかったのかもしれないと思う。
酪農がある田舎とも違うので(農家とも違う)身近で手に入れることが出来なかったのかもしれない。
なんだかわからないけど、とても美味しそうに飲み干す「ミルク」というモノに、私は強い憧れを持った。
このミルクのために、いつかロンパ―ルームに出ることを夢に見たものだ。
しかし、なぜ「牛乳」とは言わずに「ミルク」にしたのだろう。
インテリ?
ミルクなんていうから、未知の飲み物に憧れた子どもが多かったのではないかと推察する。
私はたまたまミルクとおてんき坊やに強烈な思い出があるけれど、きっと、あの頃見ていた人の一番の記憶は…
鏡よ鏡よ鏡さん。
みんなに会わせてくださいな。
そぉっと会わせてくださいな。
そういって、透かした手鏡をみながら子どもの名前を呼ぶ「うつみ宮土理」さんのような気がする。
ミルクつながりで、カバー弾き語りです。
この歌のなかの「ミルク」はロンパ―ルーム、きっと見てはいないと思います。