人生時間

死後に残ったブログ

今日、ネットのニュース(コラムっていう方がいいかな)で
33歳でガン闘病の末に亡くなった女性のブログが、
死後10年が経過しても残っているとの記事を読んだ。

ブログを遺して死んでしまうこと

7Pにわたる長い記事で、読むのに時間がかかったけど、
内容はよくつかめた。
今でも、そのブログが存在していて、誰でも見る事が出来るようだけど、
そこを訪ねる勇気を私は持っていない。

女性は離婚調停中で、9歳の男児の親権を夫と争っている最中のようだ。
ようだ…と言っても、それは既に10年以上も前の事。
結末としては、結局は夫が親権を持っているのだろう。

実父は会ったこともないらしい。
母親とは疎遠らしい。
入院など、今の世の中保証人をたてないと出来ない。
確実に退院のできる病ならまだしも、
ブログの管理者は、スキルス胃がんで余命の宣告を受けている身。
壁は高いと思いながらも、疎遠の母親に相談したようだ。

母親は、娘の身体を案じるよりも、
保険金に関心があるようで、保険金の話ししかしなかったようだ。
おそらく、それもブログ管理人さんの想定の範囲だっただろうとは思う。

ブログを読んではいないから、
そのあたりの経緯も結果もわからないけど
生命のせめぎあいの中にあって、肉親の情のうすさに触れるのは
実に気の毒だ。

転院先はPCの持ち込みが許されず、まだ投稿する体力をのこしたまま
最後の投稿をされた。
きっと、また投稿ができるようになると信じていたと思う。

管理人さんの死後、ブログは友人に託されたようだ。
その託し方は、いずれ、そのブログは削除をするというものだったらしい。
亡くなってからは、亡くなった事のお知らせをして、
コメントの管理もされていたようだ。
そして、時間とともにブログは終焉を迎える手はず。

しかし、今。まだブログは残っている。
託された方が、残しているのなら、管理もされているだろうけど、
投稿もなければ、コメントの承認もされていない。
おそらくは、関わっていないのだろう。

なぜそうなっているのかは、わからない。
友人しか本当の事はわからないだろう。

そして、そんなブログは、世の中にはたくさんあるだろう。

死後、誰も、何もしないで漂っているブログ。

漂うブログはどうなる?

この記事を読んで、気の毒だとは思った。
そして、自分も似たような境遇や、立場であるから、
とても身近に思えた。

でも、やはり結局心に残るのは
そのブログはどうなるの?って事。

無料のブログサービスでは、このような事は多いと思う。
有料にすれば、サーバーやドメインの更新で
更新の手続きや支払いがなければ、当然サービス側から削除をされる。
なんとなく、私は自分の意に反して残っていくのは
イヤだと思うので、無料のサービスは使わない。
(はてなの時代もプロを使っていた)

ブログに限らず、youtubeなどの動画も
いつまでもいつまでも、漂うのだろう。
(詳しくは知らないけど、アップされた動画は永遠に消えないと聞いた)

言葉は魂を持っているので、
迂闊に深入りするのは怖いと思っている。
軽めに吐いた言葉もあれば、魂こめて、全霊込めて書くこともある。
痩せるような思いで真剣に書いたものは、
やはり消さない限りは、漂って、その中にとどまってしまうように思う。

今現在、私はブログの事は誰にも言っていない。
今後も言わないかもしれない。
ただ、家族に残す書類の中には書くつもりでいる。
私の死後には、もし病を持っていて、それを公開していて
その病に負けて死んだのであれば、それを代筆で公開することを
その書面でお願いをするつもりだ。
そして、冒頭の亡くなった管理人さんと一緒で
日にちがたったら、削除をして、
このネットの世界、読んでくれた方たちの記憶の中から
完全に消えていきたい、と思う。

 私は年の初めに、エクセルでつくった「人生目録」を家族に渡している。
 治療や延命に関しての希望、お金関係・葬儀の希望・所有物の処理の仕方
 など、思いつくものを書きこんでいる。
 その中に、近年では必ずネット関係も書いている。
 今はこのブログに関しての事になるけど、媒体が増えたとしても、
 死後、数日を持って閉鎖(削除)するようにお願いをしている。
 この文書は、現金書留のように、封印をして、突然死亡した場合や、
 意識がなく、判断が必要な時にのみ開封するようにしている。
 前年の未開封の封筒と交換するので、有事以外では中を見る事はない。

冒頭の管理人さんは、何を思うかな。
自分の言葉が今でも漂っている事。
そんな事も関係なく、解放されて休んでいてくれたらいいな…って思うけど。

でも、ネットの世界は広がる一方で、狭まって小さくなる事は無いだろう。
そのうち、制度の整備で、漂うネットの幽霊船は
天に召される日もくるのだと思う。(権利云々が難しい気がするけど)

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